進んだり戻ったりしてまた進む

 健太です。

 大概のことはそうだと思いますが、ピアノや声楽の練習も、常にどんどん前に進むとは限りません。同じところでしばらく留まったり、前に戻ったりすることもあるでしょう。でもそれでよいのです。私が趣味でやっている将棋を例にお話ししましょう。

 将棋の訓練の一つに詰将棋を解く、というものがあります。詰将棋とは、定められた手数で敵の王将に連続王手をかけて詰ます、つまり王将にとどめを刺すための手順を当てる、言わば将棋のパズルです。手数によって1手詰、3手詰…などと呼ばれ、当然多いものの方が難しくなります。

 私は3手詰を1200問解いた時点で5手詰に挑戦しました。しかし5手詰は思ったより難しく大苦戦し、無駄に時間ばかりかかるので一旦諦め、また3手詰に戻り、800問解き直しました。そしてもう一度5手詰に挑戦したのですが、今度は苦戦はするものの、初回よりずっと解けるようになっていました。我ながら驚いたほどです。繰り返しやることの力を改めて思い知りました。

 ピアノでも声楽でも思うように練習が進まず、前に戻らなければならないときもあるでしょう。そういうときは、とても悔しいはずです。私もそうでした。でもまた必ず前に進めます。だからそれでいいのです。戻ることは決してダメなことではありません。