「好き」ということ

 健太です。
 今月、二名の生徒さんが新たに入会されました。お二人とも音楽が非常に好きで、歌唱力の向上に強い意欲を持っていらっしゃいます。私の気持ちも引き締まるというものです。

 お二人をレッスンしていて、改めて「好き」であることのエネルギーや純粋さというものを感じました。何の分野でもそうだと思いますが、仕事で音楽に関わるようになると、ただ単純に音楽が好きであるということを忘れてしまうことがあります。義務や責任、あるいは意地や虚栄心といった感情によって、好きという気持ちが見えなくなることがあります。

 でも原点は好きになったという単純な事実です。論理ではない、純粋な感情です。

 この好きという気持ちが推進力になります。将棋の羽生名人も「思いがどれだけあるか」という表現で、好きであることの力を述べています。何事も簡単に上達できません。必ず苦しいときが来ます。それを乗り越える原動力が、好きという気持ちです。

 上達を焦るとただ苦しいだけになってしまうおそれがあります。好きでい続けられる範囲で、長い時間の中で何とかなればいいぐらいの気持ちで取り組んで頂きたいと思います。自戒を込めて。(写真は私の好きな将棋の駒、「銀将」です)