音楽を聴かない時間

 健太です。

 私は音楽に関わっていますが、四六時中CD等何かしらの音源を聴いているかというとそうでもありません。電車内でイヤホンで聴くという習慣もありません。もっと聴いて勉強した方がよいのですが。

 私は音楽を聴かない時間も大切にしています。どんなに美しい音楽も長時間続けざまに聴くと疲れるので休憩という意味もありますが、それだけではありません。我々が日常の中で聞く音は、音楽のように甘美だったり、勇壮だったりするわけではないものがほとんどであるということを忘れないためという理由もあるのです。

 コンポ等のスイッチを切ると、窓の外から色々な音が聞こえてきます。風の音、子供の遊ぶ声、車や二輪車のエンジン音、野良猫の鳴き声等々。どれも音楽より刺激の低い音ばかりです。でも例えば野良猫の鳴き声を聞いて、「…何故鳴いているのだろう?腹を空かせているのかな?」と思いを馳せてみるのも、芸事に関わる人間にとっては大切なひとときではないかと思うのです。

 どうと言うことのない音にも何かを感じる人間がやるからこそ、音楽は面白いのではないでしょうか?